ヨーロッパブランドのインポートセレクトショップを展開するコイズミクロージング株式会社 エリナカンパニー(旧名:田中興産株式会社)。2021年9月にSTAFF STARTを導入、その2か月後にはLINE STAFF STARTの取り組みをスタートし、店舗スタッフを起点に顧客に寄り添った買い物体験の提供に注力しています。2つのサービスを導入した背景や、現場スタッフを巻き込む工夫、現状の効果について、販促企画やECを主導する販売促進部 マネージャーの中川裕氏にうかがいました。
導入経緯
- 店舗のOne to One接客をオンラインでも活かしたい
- 店舗スタッフがオンラインで活躍できる仕組みを利用し評価にも連動させたい
- 実店舗とECどちらにも活用できることがLINE STAFF START導入の
活用方法
- 「SNAP PLAY機能」「LINE STAFF START機能」導入
- コーディネート提案力の向上、店舗でのスタイリングや提案を可視化
- お客様ひとり一人に寄り添ったきめ細やかな接客やコミュニケーションに活用
導入効果
- EC売上の最大50%以上がSTAFF STARTコンテンツ経由
- スタッフ投稿経由のCVRが2倍、PV数や滞在時間、回遊率も向上
- 店舗スタッフを起点としたお客様との1対1の関係性づくりに寄与
INDEX
- 店舗スタッフがオンラインで活躍できる仕組みとして導入
- オンライン接客の理解を得るために取り組んだこととは?
- ”STAFF START始動会”をきっかけに広がった“デジタル接客”への意識
- 新機能「なかよしミラー(オンライン試着)」先行導入について
- LINE STAFF STARTが接客にもたらした3つの効果
店舗スタッフがオンラインで活躍できる仕組みとして導入
──御社では、「STAFF START」と「LINE STAFF START」を活用していただいています。まずは、それぞれの導入背景から教えてください。
ERINAでは以前から、店舗での丁寧な接客力がブランドの大きな強みでした。 一方で、ECやSNSを通じた購買・情報収集が当たり前になる中で、 ・オンラインではスタッフの魅力や接客力が十分に伝わらない ・ECが「モノを買う場所」になってしまい、ERINAらしさを表現しきれない ・店舗で築いた関係性を、来店後・来店前につなげられていない
といった課題を感じていました。
「店舗で行っているOne to One接客を、オンラインでも自然に再現できないか」 その想いが、STAFF START導入の大きなきっかけとなりました。

導入の決め手となったのは、 “スタッフを主役にした接客体験を、オンラインでも再現できる”点でした。
コーディネート投稿を通じてスタッフの人柄や提案力を伝え、その先で個別コミュニケーションにつなげられる仕組みは、ERINAが大切にしてきた接客スタイルと非常に親和性が高いと感じました。め手となりました。
──2021年11月のSTAFF START導入から4年ほどが経ったところですが、現状で感じている効果を教えてください。
SNAP PLAY × LINE STAFF START(LSS)が生み出す好循環 視覚的な信頼から、パーソナルな繋がりへ
SNAP PLAYによるスタッフのコーディネート投稿は、お客様にとって「ブランドを知る」「スタッフを知る」ための入り口となり、視覚的な安心感・信頼感を醸成する役割を担っています。
そこからLINE STAFF START(LSS)でのチャット接客につなげることで、サイズ感や着こなしの相談、ライフスタイルに合わせた提案が可能になりました。
現在では、
「スタッフの着こなしに惹かれ、チャットで相談し、納得して購入する」
という流れが自然に定着しています。

単なるEC利用に留まらず、スタッフとの関係性を通じてブランドへの愛着が深まり、お客様のロイヤル化が進んでいることを強く実感しています。
よりお客様に選んでいただけるブランドになるために、会社としてサイトのスタイリング提案やクリエイティブに力を入れてきましたが、店舗についてはスタッフに任せてしまう面もありました。今回、STAFF STARTを導入したことで、店舗でどんなスタイリングや提案が行われているかを可視化できたのもよかった点のひとつです。発信内容に一貫性を持たせられるという点で、STAFF STARTはブランディングの面でも役立っていると思います。
実際に実績の高かった投稿例
https://shopping.erina-t.com/shop/pages/coordinatedetail.aspx?ss_cid=13399040
―コーディネート投稿に対する店舗スタッフの取り組み方も以前と比べて変わりましたか。
はい。やはり店舗スタッフにとっては、店頭で接客を行い、お客様に喜んでいただきたいというのが最優先。個人の売上成績が給与にも連動するため、これまでコーディネート投稿はあくまで付帯業務という位置づけでした。しかし、今回、STAFF STARTを導入し、店舗の売上と全く同じ基準でEC売上も個人評価にてきたことで、店舗スタッフの投稿に対するモチベーションは大きく変わったと感じます。実際に運用する中では、STAFF STARTのアプリから個人のEC売上実績がプッシュ通知で届くのが好評で、店舗スタッフのモチベーションにつながっています。

オンライン接客の理解を得るために取り組んだこととは?
―LINE STAFF STARTは、これまで例のない新しい取り組みだと思いますが、店舗スタッフの理解を得るために工夫されたことは何でしょう?
導入にあたって、全店舗スタッフを対象に数回のアンケートを実施しました。はじめのうちは、全体の7割以上が好意的に受け止めてくれていたのですが、実際に導入が近づき現実的な話になっていくにつれて、「個人のスマホを使うのは抵抗がある」、「通常の接客がおろそかになってしまうのではないか」などといった意見も出てきて、「取り組み自体はいいと思うけれど、様子を見てから導入したい」というスタッフが大半になってしまいました。
―そこから、どうやって店舗スタッフの協力を取り付けていったのですか。
本部から全体に向けた一方的な発信では理解を得られないと思い、全国約200名の店舗スタッフひとり一人に電話で説明するようにしました。直接話をして説明することで、「それならやります」と理解を示してくれるスタッフが出てきました。導入後も、成功事例を共有しながら地道に参加してくれるスタッフを増やしていった形です。全スタッフに直接電話で説明するというのは、弊社の規模だからできてきたことかもしれませんが、LINE STAFF STARTはこれまでにない新しい取り組みでしたし、ひとり一人にしっかりと説明できたことが、結果的に協力を得る近道だったと思います。

もうひとつ大きかったのは、社長の長い店舗スタッフの中には、すでに個人のLINEアカウントでお客様とつながっているスタッフが約3〜4割ほどいて、LINEでつながるメリットを理解していたことです。
店舗スタッフの公式アカウントでは、自動応答メッセージを使い、企業側としてお客様とのコミュニケーションルールを伝えられるようになり、個人アカウントの時のように、営業時間外のやりとりが必要なくなりました。こうした公式アカウントのベネフィットやLINEによるオンライン接客のイメージを地道に伝えたことで、現在は、LINE STAFF STARTを活用するスタッフは約8割にまで増えました。
―もうひとつ、LINEと一緒にやっているプロジェクトである、Webサービス「Staffy」にも参画して下さっていますね。
「Staffy(スタッフィ)」※を経由して、これまでリアルでは接点のなかったお客様がLINEの友だちになってくれるケースも出始めています。
※LINE STAFF STARTを利用する全国の店舗スタッフと繋がり、自分好みのスタッフと出会えるWebサービス。お気に入りのスタッフをLINEで「友だち追加」することで、いつでも気軽にお買い物のアドバイスが受けられる
「Staffy」公式サイトはこちら
公式サイト内の特集ページに、弊社からは3名が出演しています。数万人のフォロワーを持ち、インフルエンサーとしても活躍する他ブランドの店舗スタッフさんと同じサイトに掲載できたことは、出演した本人達にとっては嬉しかったようです。今後さらに登場するブランドやスタッフが増えれば、相乗効果が期待できますし、新しいお客様と出会える場として期待しています。

”STAFF START始動会”をきっかけに広がった“デジタル接客”への意識
──STAFF STARTは「お客様との『繋がり』を、店舗とオンラインの垣根を超えて拡張する。」をテーマにした始動会をERINA様と実施させていただきました。この効果は何かありましたか?
始動会をきっかけに、社内の意識にも大きな変化が生まれました。
特に印象的だったのは、「デジタルは店舗接客の延長である」という考え方がスタッフの中に浸透してきて、オンライン上での接客を大きなメリットのひとつと捉えるようになりました。 始動会後、Instagramを始めたばかりだった数名のスタッフも、現在まで高いモチベーションで発信を継続しています。投稿の頻度や内容もブラッシュアップされ、スタッフ自らがオンラインでファンをつくる意識を持ち、行動する好循環が生まれています。
新機能「なかよしミラー(オンライン試着)」先行導入について
──STAFF STARTが2025年にリリースした「なかよしミラー」についても先行導入をいただいております
なかよしミラーは、導入当初と比べて再現性が向上し、現在では非常に実用的なツールになってきたと感じています。先行導入段階のため運用面での課題はありますが、「サイズ感が分からない」「着たイメージが湧かない」といったお客様の不安を解消できる良いツールであることは間違いありません。
今後は、なかよしミラーを単体で活用するのではなく、LSS(チャット接客)と組み合わせることで、よりパーソナルな提案につなげていきたいと考えています。
店舗とオンラインをつなぐ、新しい接客の形として、さらなる活用の可能性を感じています。
LINE STAFF STARTが接客にもたらした3つの効果
―なるほど。LINE STAFF STARTの活用で接客内容やお客様の反応に何か変化はありましたか。
大きく変わったのは、お客様に出勤スケジュールをお伝えできるようになったことです。弊社の場合、お気に入りのスタッフがいるお客様が多いのですが、これまではお客様が実際に来店されないと、そのスタッフの出勤状況は知ることができず、すれ違ってしまうケースがこれまではありました。LINE STAFF STARTを導入し、お気に入りの店舗スタッフの出勤をLINE上で予め確認できるようになり、その点もとても便利だとお客様からはご好評いただいています。

店舗スタッフにとっても、お客様の来店を事前に把握し接客の準備ができるという、我々が想定していなかった効果もありました。お客様が出勤スケジュールを確認されたのがスタッフ側にもわかる仕組みになっているため、直接来店に関するメッセージがなくても、来店の予測を立てて、おすすめしたい物を事前に準備しておけるようになったのです。それ以外にも、遠方のお客様の来店にあわせて、事前に、お試しされたい商品を伺っておき、取り寄せておくなど、サービスや接客の質の向上に繋げています。
―お客様ひとり一人に寄り添って、きめ細やかな接客やコミュニケーションをしているんですね。
はい。今、お話したこと以外にも、例えば、クーポン配信では、誕生日クーポンや雨の日クーポンといった定番のクーポンに加え、出産や、入学・進学など、お客様のライフイベントに応じた記念日クーポンを店舗スタッフが任意で配信できるようにしています。

お客様ひとり一人に向けたコミュニケーションという意味では、LINE STAFF STARTは顧客管理ができ、セグメント配信ができるのも大きなメリットのひとつです。これからLINE STAFF STARTの店舗スタッフアカウント全体で、友だちを約1万人程度まで増やす計画でいるのですが、そうすると、必然的に店舗スタッフ1人あたりがカバーするお客様は増えてしまいます。そういった場合でも、セグメント配信機能を使えば、一斉配信でなく、よりパーソナライズした発信ができます。
──LINE STAFF STARTに関して、これからの展開や計画についても教えてください。
実店舗への送客は手応えを感じているので、今後はECへの送客が課題です。EC売上が個人の評価に反映され、店舗スタッフがECをおすすめする環境が整ったので、次のステップとして、お客様にECをご案内するマニュアル作りを進めています。販促企画については、例えば、ECポイント5倍デーなどを企画し、店舗スタッフがECをおすすめしやすく、また、お客様にとってもECでお買い物をしていただきやすい環境を整えていきたいです。

店舗スタッフを起点としたお客様との1対1の関係性づくりが、弊社として最も大事にしているポイントです。コーディネート投稿はもちろん、LINE STAFF STARTを通じて、店舗スタッフの個性や魅力を伝えていき、少しでもファンになってくれるお客様を増やしていければと思います。
取材ご協力

コイズミクロージング株式会社 エリナカンパニー
販売促進部 マネージャー営業推進部 販売促進室 室長
中川 裕
入社以降、店長、スーパーバイザー、ブランドマネージャーなど店舗運営を経験した後、販売促進室に配属。 店舗イベントの企画立案・運営の傍ら、ECサイトの立ち上げに参画・担当も兼務する。

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