#アパレル・ファッション

【イベントレポート】CVR4倍超も!STAFF START成功企業に学ぶ、複数機能の活用で成果を“掛け算”にする方法

株式会社ダイドーフォワード/株式会社デイトナ・インターナショナル

篠塚 知子/横田 浩之/村井 竜

#アパレル・ファッション

3,000ブランド超、26万人以上のスタッフが活用するスタッフDXサービス「STAFF START」。リリースから8年、常に時代のニーズを捉え、進化を続けていますが、導入企業の方からは、「どのように戦略的に活用すれば、更なる成果を生み出せるのか」「自社にとって最適な運用方法は?」といったお悩みも聞こえてきます。

そこで今回は、複数の機能を組み合わせながら成果に繋げている株式会社ダイドーフォワードの横田浩之様、篠塚知子様、株式会社デイトナ・インターナショナルの村井竜様をゲストに迎え、これまでのお取り組みにおける背景や運用面での工夫、創出された成果について詳しくお話を伺いました。

ダイドーフォワード様の事例

1. 導入の背景

横田氏:「ニューヨーカー」は1964年のブランド設立以来、「着心地」「品質」「美しい仕立て」を追求し、伝統を重んじるブランドとして愛されてきました。変化する時代の流れの中で、ECサイトのリニューアルやSTAFF START導入を検討していた矢先、コロナ禍によって実店舗が休業せざるを得ない状況に追い込まれました。この状況を打破し、店舗スタッフが活躍できるECの仕組みを整えるべく、計画を大幅に前倒しし、2021年7月に「SNAP PLAY機能」と「まとめ機能」を先行導入しました。

当社では以前より、実店舗への集客を目的にショップブログを運営してきました。そのため「STAFF START」導入に対する物理的なハードルはなかったのですが、EC上での購入促進に重点を置くという点で、店舗スタッフからは「店舗からお客様が離れてしまうのでは」という懸念の声が上がりました。しかし、議論を重ねた結果、店舗やスタッフの評価を可視化できるという画期的な点が決め手となり、導入に至りました。

2022年2月からは「LINE STAFF START」も導入し、お客様とのよりパーソナルなコミュニケーションを図りながら、各機能を最大限に活用することで、顧客エンゲージメントの深化に成功しています。

2. 「スタッフの個性」と「店舗の魅力」を3つの機能で効率よく発信

篠塚氏:「SNAP PLAY機能」には約300名の全スタッフが登録し、それぞれの個性を活かしたコーディネートを日々投稿しています。

モデルではなく、より身近な存在であるスタッフによるコーディネート提案は、親近感を演出するだけでなく、コーディネート次第で他の商品とのセット購入率の向上も見込める点が大きなメリットです。スタッフからは「商品を販売する前に、実際に自分で着用することで商品の理解が深まった」「お客様に提案する際のコーディネートの幅が広がった」といった声が寄せられています。

一方、「まとめ機能」は、店舗の魅力や様々な情報を発信するために活用しています。

具体的には、本部スタッフが「先週の人気コーディネート」や「春の新作アイテム」といった特集記事を、店舗スタッフが各店舗のニュース、キャンペーン情報、店舗サービス、営業時間告知といったタイムリーな情報を作成・投稿。両者が協力しながら多彩なコンテンツを発信しています。

特に店舗スタッフの投稿では、コーディネート投稿だけではカバーしきれないお店の個性を表現することを目指し、外観写真や売り場の写真、マネキンなど、お店の雰囲気がわかるような写真を使用しています。なかには、メンズショップの女性スタッフが、実際に着用が難しいメンズアイテムのスタイリングを提案するなど、コーディネート投稿では力を発揮しにくいスタッフの活躍の場にもなっています。

お客様とのコミュニケーションには、「LINE STAFF START」を活用しています。従来、お客様とのやり取りはダイレクトメールや電話が主な手段でしたが、作業工数の多さに加え、コストの高さも課題でした。そこで、効率的なオンライン接客を目指して「LINE STAFF START」をまず直営店から試験的に導入し、段階的に導入店舗を拡大しています。

「LINE STAFF START」を活用することで、スタッフと顧客双方のコミュニケーションがより気軽になり、入荷連絡やスタッフの出勤日のお知らせなど、これまで以上に密でパーソナルなコミュニケーションが可能になりました。日付や内容が記録として残ることや、お客様がメッセージを読んだかどうか既読表示が出る点も、店舗スタッフから評価されている点ですね。

3. スタッフのモチベーションを高めて大きな成果を創出

篠塚氏:投稿の質を高め成果に繋げるためには、スタッフが迷わず、そして最大限に能力を発揮できる環境が大切です。そこで、導入当初には、プロフィール設定から投稿ルールまで、具体的な指針を明記したガイドラインを作成し、配布しました。また、撮影環境を整えるため、三脚やタブレットなど、撮影に必要な機材を各店舗に提供。被写体とカメラマンの距離、画角など、実践的な撮影ノウハウを共有しています。

それでも導入初期に多く挙がったのが、店舗での撮影時間不足という課題でした。そこで社内の声を受けて、定期的な撮影会を開催し、投稿用画像のストックを確保する体制を確立。日々の業務に追われる中でも、安定して投稿してもらえるように、全面的にサポートする環境作りに取り組んでいます。

また、スタッフのモチベーション向上と成果を連動させるため、サービス導入当初よりインセンティブ制度を整備しています。これまでは、所属店舗ごとにパーセンテージを定めて、直接売上の一部を付与していましたが、今後は全店舗共通で、新規商材の重点販売期間に特化した制度へと進化させる予定です。これにより、スタッフ一人ひとりの貢献をより明確に評価してモチベーションを最大限に引き出すとともに、粗利率の高い新規商材の販売数アップを目指します。

こうした環境整備とスタッフの努力が実を結び、「STAFF START」導入後、大きな成果が現れています。中でも際立っているのが、CVRの飛躍的な向上です。「SNAP PLAY」経由のCVRは非経由の4.37倍、「まとめ機能」経由では2.58倍という数値を達成しました。

さらに、3ヶ月後の再訪率においても、「SNAP PLAY」のみ閲覧したユーザーは非経由の20倍、両機能を閲覧したユーザーに至っては、約50倍という高水準を記録しています。

4. 目指すのは、店舗体験を起点とした顧客体験の価値アップ

横田氏:大きな成果を上げている今、私たちが最も注力すべきは、ECでの初回購入者をいかに増やしていくかという点です。地道な取り組みではありますが、新商品発売時などに店舗で得られる体験、信頼、情報をECでのリピート購入へと繋げ、お客様にとって利便性の高い理想的な購入サイクルを確立したいと考えています。

そのために「STAFF START」を駆使し、「お気に入り店舗/スタッフ/商品」など、お客様一人ひとりの嗜好に合わせた情報提供を徹底し、メール開封率向上とパーソナライズされた体験を強化していきたいと思っています。

「ニューヨーカー」は昨年でブランド60周年を迎えました。長年培ってきたブランド価値を継承しつつ、若年層を含む幅広い世代に愛されるよう、投稿コンテンツの質を追求しながら、お客様にとってより良い購入体験に挑戦し続けたいと思います。

デイトナ・インターナショナルの事例

1. 導入の背景

村井氏:「FREAK’S STORE」は、「10年経っても色褪せない服」をコンセプトに、インポートブランドから自社ブランドまで、メンズ・レディースを問わず世界中から厳選したセレクトアイテムと、時代を超えて愛されるオリジナルアイテムを展開するアパレルブランドです。

当社では、実店舗とECを積極的に行き来する「クロスユース率」の向上を、全社目標に掲げ、OMO戦略に力を入れています。そんな中で、顧客とスタッフとの繋がりを強化することでECと店舗をつなぐ「STAFFSTART」の導入を検討。

2019年の「SNAP PLAY機能」と「まとめ機能」の導入を皮切りに、2022年3月にはLINEを通じたパーソナルな接客を可能にする「LINE STAFF START」、同年4月には店舗での顧客体験を向上させる「店舗接客機能」、そして同年12月には購買体験を豊かにする「スタッフレビュー機能」と、顧客体験価値の向上とコンテンツの充実に向けて、様々な機能の導入を積極的に進めています。

2. 複数機能の活用でコンテンツを拡張しOMO戦略を加速

「SNAP PLAY機能」はスタイリング事例を視覚的に訴求することでお客様の購買意欲を刺激し、さらに、スタッフのファン化を促進することでオンラインから実店舗への送客にも一役買っています。スタッフによる投稿数も年々増え、お客様のなかでも購入前にスタイリングを閲覧するというアクションが根付きつつあると感じています。

スタイリングだけでなく、文章でも魅力を伝えられる「まとめ機能」は、スタッフの個性が際立つコンテンツとして人気です。キャッチーで面白い文章を書くスタッフの投稿は閲覧数が多く、固定ファンを獲得し、売上にも貢献しています。ここでは、主に店舗スタッフが更新する「ブログ」、本部スタッフが新ブランドや人気アイテムを特集する「フィーチャー」、キャンペーン情報などを配信する「ニュース」の3つのコンテンツを一元管理しています。投稿内容や投稿者の管理、管理画面内での分析が容易になったことで、本部スタッフの運用工数を削減。効率的な運用を実現しています。

「ブログ」では、店舗スタッフが投稿を作成した後に店長が内容をチェックし承認。その後、ECサイトに掲載するといった承認フローを設けることで、コンテンツの質を維持しています。

「フィーチャー」「ニュース」では、HTMLを入稿することで、WordPress等で作成していたリッチな表現も可能です。ツールの一元管理と表現の自由度が両立できる点も、評価できるポイントですね。

さらに、顧客とのコミュニケーションツールとしては、「LINE STAFF START」を積極的に活用しています。店舗での接客で関係を終わりにせず、退店後もECサイトへ誘導することで、OMO戦略を実践するための重要なツールとして位置づけています。

個別のやり取りはもちろん、店舗スタッフが店舗利用顧客のグループごとにキャンペーン情報を一斉配信したり、本部スタッフが全社的な販促企画を配信するなど、顧客ニーズに合わせた柔軟な運用を実現しています。お客様にとっても、DMなどに比べて「いつでも気軽に質問できる」「すぐに返信がもらえる」といった利便性の高さが魅力です。

お客様との個別のやり取りは管理画面で一元管理できるため、万が一の際のフォローや対策も容易に行え、セキュリティリスクの低減にも繋がっています。

店舗からECへの送客や再来店の促進においては、「店舗接客機能」が大きな役割を果たしています。一昔前には、名刺の裏に品番を記入してお渡しし、再来店を促すこともありましたが、現在ではお客様にQRコードで商品情報をお持ち帰りいただくだけで、ご自宅でじっくりと検討したり、ECサイトで購入したり、再来店に繋げることが可能になりました。

試着後に検討を希望されるケースや、店舗に在庫がない場合、買い回り時などにQRコードを読み込んでおいていただくことで、お客様の記憶に残る形で商品情報を提供できる点が、この機能の最大のメリットです。

「スタッフレビュー機能」は、商品詳細ページにおいて、店舗スタッフが商品の特徴や着用感を詳細にレビューできる機能です。日頃から商品、そしてお客様に一番接しているスタッフの生の声を公開することで、顧客満足度を一層高めることを目指しています。

生地の厚み、光沢感、着用感など、文章での説明はもちろん、グラフを用いた視覚的な表現で、オンライン上でも具体的な商品イメージが鮮明に伝わります。

3. 全社一丸でスタッフDXを推進し、大きな成果を創出

当社ではDX本部の立ち上げ当初から、取締役自らが旗振り役となり、デジタル接客の意義や可能性を熱心に啓蒙することで、組織全体でスタッフDXに取り組む機運を高めてきました。現場レベルでは、営業本部が毎月開催する店長会で新機能の周知を行い、スムーズな導入を支援。機能ごとに投稿マニュアルを整備したり、オンラインでの勉強会も開きながら、スタッフが迷わず使いこなせるようにサポート体制を構築しています。

外部ツールとの連携にも積極的に取り組んでいます。例えば、ウェブ接客ツール「KARTE(カルテ)」と連携しユーザーの位置情報から天候を取得、その天候に合わせたコーディネートを「STAFF START」上に表示するなど、パーソナライズされたコンテンツ配信を実現しています。APIの活用により、コンテンツの幅は無限に広がっています。

このように、段階的に機能を拡充し、コンテンツの質と量を充実させてきた結果、顕著な成果が現れています。

「SNAP PLAY機能」経由のCVRでは、非経由の5.36倍という数値を記録しており、今や「SNAP PLAY」は、主要コンテンツの一つとして、戦略上、欠かせない存在になっています。

また「まとめ機能」経由では2.78倍、「スタッフレビュー機能」経由では7.29倍と、いずれも大きな成果を上げています。とくに「スタッフレビュー機能」においては経由収益も先んじて導入していた「ブログ」の2倍に達しており、予想をはるかに上回る好調ぶりです。スタッフからは「気軽に投稿できる」と好評で、運用も非常にスムーズです。

3ヶ月後の再訪率においても、「SNAP PLAY」のみを閲覧したユーザーで非経由の5.2倍、3機能を閲覧したユーザーに至っては、非経由の33倍という数値を記録し、顧客エンゲージメントの向上に大きく貢献しています。

4. 顧客体験価値の最大化とファンコミュニティ形成へ

当社ではお客様のEC体験をさらに向上させるため、今後さらにEC体験を向上する「なかよしミラー機能」とお客様と共にブランドを盛り上げる「ファンバサダー機能」の導入を予定しています。

「なかよしミラー機能」は、AI技術を用いてお客様の顔写真とスタッフスナップを融合させることで、ECサイト上でリアルなバーチャル試着体験を実現できる機能です。まるで鏡を見ているかのように、実際の商品を身に着けたイメージを具体的に確認できるため、EC購入における不安を解消し、自分にぴったりの商品と出会える点が、導入の決め手となりました。導入により、CVRのさらなる向上と返品率の減少を目指します。

「ファンバサダー機能」は、お客様がInstagramに投稿した商品着用写真をハッシュタグで検索し、ECサイトへの掲載を依頼できる機能です。お客様が創り出すオリジナルのコンテンツを最大限に活用することで、スタイリング投稿数の増加、スタイリング経由の売上向上はもちろん、お客様同士の活発な交流を促進することで、ゆくゆくはファンコミュニティの醸成を目指していきたいですね。

株式会社ダイドーフォワード
ニューヨーカーDiv 営業本部 eコマース部 eコマース課

篠塚 知子 氏

2016年(株)ダイドーフォワード入社。婦人服の売り場担当を経た後に、ビジュアルマーチャンダイザー(VMD)、店舗設計業務を経験し現職。売り場で培ったスタイリングの提案力を生かし、STAFF STARTを実践しながら、そのノウハウや知見を店舗スタッフに波及する役割を担うほか、モデル撮影やコンテンツ制作にも携わる。

株式会社ダイドーフォワード
ニューヨーカーDiv 営業本部 本部長

横田 浩之 氏

2002年、現(株)ダイドーフォワードに入社。婦人服の営業5年、マーチャンダイザー12年、EC担当5年を経験。その間、ポイントカードの電子化、BIツール、周年事業等のプロジェクトを担当。新規事業として2ブランドの立上げ、カスタマーサービスの受託事業を開発。現在は営業本部長として商品企画、MD、店舗運営、EC、PR、SP、CRMのマーケティング機能を管轄し、商品戦略を含めチャネルの垣根を無くす新たなマーケティング戦略の推進に取り組む。

株式会社デイトナ・インターナショナル
DX本部 UI/UX課 課長

村井 竜 氏

新卒でアパレル販売職に従事。その後、フロントエンドエンジニアに転職した後、Webディレクターへとキャリアを広げる。制作会社や事業会社で幅広い経験を積み、2022年に株式会社デイトナ・インターナショナルに入社。ECサイトやアプリの機能改善、サードパーティーツールの導入、自社アプリのWebView化、Web接客ツール「KARTE」の運用設計など、多岐にわたる業務を担当。2024年には課長に昇進し、マネジメント業務を担うとともに、複数のプロジェクトを推進。また、STAFF STARTの運用担当として、店舗とオンラインの連携を強化。OMO促進のため、投稿戦略の立案、投稿サポート、インセンティブ制度の設計などに取り組む。