スタッフDXのアプリケーションサービス「STAFF START(スタッフスタート)」を展開する株式会社バニッシュ・スタンダードは11月6日、「スタッフコンテンツの2次活用術」をテーマとしたブランド事業者向けのミートアップを開催しました。
当日は、株式会社リーガルコーポレーションと、株式会社エストネーションの2社の先行事例を中心として、施策を成功に導くポイントや運用のノウハウに迫りました。本記事では、講演内容からポイントを抜粋してお届けします。
INDEX
- そもそも、スタッフコンテンツの「2次活用」とは?
- 【事例1】スタッフコンテンツを活用し、顧客接点の充実を実現(株式会社リーガルコーポレーション)
- 【事例2】ブランドロイヤリティの醸成目的で積極的に活用(株式会社エストネーション)
- まとめ
店舗スタッフが商品のおすすめやストーリーを発信する「スタッフコンテンツ」。ブランドロイヤリティ形成や、購買意欲の喚起など、さらなる成果の創出に向けて、ECサイト以外に活用する動きが広がっています。
そもそも、スタッフコンテンツの「2次活用」とは?
STAFF STARTは、自社ECサイト以外にスタッフコンテンツを展開していくことを「2次活用」と呼び、その種類を大きく2つに分けて整理しています。
1.他社サービスでの活用
メールマガジン、ランディングページ、SNS、デジタルサイネージなど、ECサイト以外のさまざまなチャネルにスタッフコンテンツを活用する方法です。「aunn」「b→dash」「KARTE」など外部サービスと連携し、STAFF STARTのデータバンク機能からスタッフコンテンツを取り込み表示させる仕組みが一般的です。
2.他社ECモールへの同時投稿
スタッフが自社ECサイトに投稿した内容を、提携する他社モール(「&mall」や「iLumine」など)にも同時に配信できる仕組みです。STAFF STARTの管理画面から簡単に設定を行えます。

ここからは具体的な事例をもとに、スタッフコンテンツの活用方法やそのポイントをお伝えします。
【事例1】スタッフコンテンツを活用し、顧客接点の充実を実現(株式会社リーガルコーポレーション)

<取り組みサマリー>
創業120年以上の歴史を持ち、主力ブランド「リーガル」を中心に靴の企画・製造・販売を手掛ける株式会社リーガルコーポレーション。「商品やブランドの説得力を高めること」と「お客様に共感してもらうこと」を目的に、スタッフコンテンツの2次活用を実施し、接客力の向上や販促の強化につなげています。
ーー具体的な活用方法
1.メールマガジンのステップメールや特集にスタッフコンテンツを活かし充実図る
2.店舗のデジタルサイネージへ投影し、スタッフコンテンツを接客ツールとして活用
3.ららぽーと公式通販サイト「&mall」と連動し、購買喚起や店舗集客に応用
4.広告ランディングページにスタッフコンテンツを活用し、購入ハードルの低減に貢献
当日のスピーカー
株式会社リーガルコーポレーション 営業統括本部副本部長 執行役員 秋葉光徳様

ーースタッフコンテンツの2次活用を始めた背景は?
秋葉さん スタッフコンテンツの2次活用を始めたのは、「店舗でも、スタッフが投稿したコンテンツを活用したい」という現場の要望がきっかけです。
特に、男性スタッフが婦人靴の接客をする際、履きやすさの説明はできても、コーディネートに関してはフォローが難しいという課題がありました。また、メールマガジンや、他ECモール連携も活用の可能性があると考え、商品やブランドの説得力を高め、お客様の共感を得ることを目指し、スタッフコンテンツの2次活用を始めました。
ーースタッフコンテンツをどう施策に活かし、成果につなげていますか?
秋葉さん 当社では、①メールマガジン、②デジタルサイネージ、③ECモール、④広告配信用ランディングページという4つの施策に、スタッフコンテンツを活用しています。
①MAツールでのステップメール設定
1つ目のメールマガジンでは、MA(マーケティングオートメーション)ツールを活用し、ユーザーのカスタマージャーニーに沿ってステップメールを設定。お客様が購入した靴のスタイリング情報を購入から10日後に自動配信しています。また、シーズンのおすすめや特集企画を行う際にもスタッフコンテンツを活用しています。
この施策はお客様に好評で、クリック率が通常の4倍ほど高い結果となっています。

②デジタルサイネージの運用を効率化
2つ目は、店頭と店内に設置しているデジタルサイネージでの活用です。
店頭のサイネージには、顧客の興味・関心を引くスタイリング画像を、店内のサイネージでは、商品情報やスタイリングの詳細を提供し、お客様の購買検討に役立つ情報を表示しています。また、店内ではスタッフのスタイリングコンテンツのみでは商品が特定しづらいため、スタイリングコンテンツの後に商品情報を流す独自のテンプレートを作り、運用を行っています。
従来のデジタルサイネージへの投影はUSBを使い手動で管理するのが一般的でしたが、我々はスタッフコンテンツをデジタルサイネージシステム(OneGATE/PDC社)と連携して、配信端末ごとの一元的なコンテンツ管理を行っています。
デジタルサイネージに表示するコンテンツは、店舗ごとに柔軟なカスタマイズが可能で、店長や担当者が、客層やニーズの変化に合わせて設定できる仕組みです。効率的な運用を行える点にもメリットを感じています。

デジタルサイネージ活用の効果測定も進めており、今年7月から計4週間に渡って実証実験を行った結果では、コーディネート配信(音あり)は紙のポスターと比較し約9ポイント高い視聴率を記録。また、購入率も前年同期比で5%増と効果を確認できています。
③同時投稿機能で、他社ECモールと連携
3つ目は、ららぽーと公式通販サイト「&mall」との連携です。
当社は「&mall」にEC機能を持たせていないのですが、以前は、本部が撮影した商品画像のみ掲載するのみの状況に留まっていました。連携後は、スタッフコンテンツの掲載を通じコンテンツの充実が図られ、購入喚起の促進や店舗集客に好影響をもたらしています。
「&mall」との連携は、STAFF STARTの管理画面から同時投稿設定するだけです。スタッフの労力を増やすこともなく、始めやすい施策だと思います。

④LP(ランディングページでの活用)
4つ目が、広告配信向けランディングページでの活用です。
例えば、革靴の初心者向けのランディングページに購入ハードルを下げる狙いで、スタッフの着用画像を掲載しています。また、キャンペーン用の特設サイトでも、スタイリング投稿への導線を用意し、商品画像だけでなく、着用イメージも確認できるよう工夫しています。

表示方法は、スタイリングを表示するタグを発行して、自社で作成したランディングページに、LP内に設置しています。投稿の新着順などと表示内容も指定して、季節感が違ったり、古い情報が表示されない形でのコンテンツ抽出を行っています。
ーーこれまでのEC展開のステップを教えてください。
秋葉さん 2021年9月、STAFF STARTを導入し、OMOの推進を加速していきました。その後、22年10月に、カスタマー・データ・プラットフォームや、CRM、MA(マーケティングオートメーション)ツールを導入し、STAFF STARTの2次活用を開始。
2023年5月には、公式サイトの統合を行い、EC機能のみならず企業ポータルサイトとしての側面も持ち、TOPページから、色々なコンテンツに触れていただき、さらに深く見たい方は、その場からすぐに繊維できる仕様へとアップデートしました。
今後も、お客様にご利用いただく接点がより魅力的になるよう、EC、リアル店舗共に顧客体験を高めていきたいです。
【事例2】ブランドロイヤリティの醸成目的で積極的に活用(株式会社エストネーション)

<取り組みサマリー>
国内外のアイテムを厳選して扱うセレクトショップを展開する株式会社エストネーション。同社は、スタッフのメディア化による「ブランドロイヤルティの醸成」を目的に、メールマガジンや、LINE、ECサイトでのWEB接客にスタッフコンテンツの2次活用を実施。コンバージョン率など主要指標で、好調な実績を収めています。
ーー具体的な活用方法
1.購入商品や顧客状況に応じたスタイリングを配信し、再購入やブランド理解向上に活用
2.WEB接客にスタッフコンテンツを活用し、顧客体験の向上と購買率アップに寄与
3.LINEでの個別提案や一斉配信に活用。スタッフの個性を引き出し、ファン化を加速
当日のスピーカー
株式会社エストネーション 販売部EC メンズSV 一戸眞様

ーースタッフコンテンツの2次活用を始めた背景は?
一戸さん スタッフコンテンツはECサイト内で特に人気のあるコンテンツとなったため、この価値をより多くの施策で活用することを目指して2次活用を始めました。先行して2次活用を行っていた関連グループのANAYIやallurevilleで好実績を収めていたことも、導入の後押しとなりました。
そもそもSTAFF STARTを導入したのは、スタッフを「メディア」として活用することで「ブランドロイヤリティの醸成」を図りたいと考えたからです。
実は以前、別のスタイリングツールを使っていましたが、STAFF STARTに乗り換えたところ、すぐに以前の成果を上回り、ページビュー、STAFF START経由の売り上げ、UU(ユニークユーザー数)など、主要な指標で高いパフォーマンスを実現。スタッフの働くモチベーションの向上や、スタッフを介した新たなファンの獲得に成功しています。
ーースタッフコンテンツをどう施策に活かし、成果につなげていますか?
一戸さん 当社では、①メールマガジン、②WEB接客、③LINE STAFF STARTの3つの施策にスタッフコンテンツを活用しています。
メールマガジンでは、実店舗EC問わず、商品を購入して下さったお客様に対して、「購入フォロー」と「F2転換(2回目のリピート購入)促進」を目的に送るシナリオメールに、スタイリング画像を活用しています。

①「購入メール」施策は前月比32%増を達成
「購入フォロー」のメールでは、購入商品に合わせた着こなし提案を通じて、再購入を促すことを目的としています。また、ロイヤリティの高い既存顧客にはお気に入りのスタッフを見つけてもらう機会を提供する狙いもあります。そのためスタイリングのバリエーションを豊富に見せる形で配信しています。
一方、初めてエストネーションで購入されたお客様向けの「F2転換」を目的としたメールでは、購入商品の人気スタイリングを1つ紹介し、その下にスタイリングで使用したアイテムを一覧で掲載しています。このように商品情報を中心とした構成にすることで、スタイリングの理解を深めるとともに、ブランドへの理解や共感を高めることを狙っています。
メールマガジンの配信は、CXプラットフォーム「KARTE(カルテ)」と連携し、閲覧や購入情報をもとにメール配信するコンテンツを設定し展開しています。

「購入フォロー」施策は導入初月から効果が表れ、シナリオメール全体の売り上げに関して前月比32%増を達成しました。また、当社が展開するすべてのシナリオメールの中で、売上貢献度が3番目と、再入荷メールに匹敵するコンバージョン率となっています。平均購入単価は、最も高い結果となっており、商品単品よりもリアリティがあり、着用イメージが沸きやすいスタイリングコンテンツを訴求することの効果を感じています。
②WEB接客でニーズに合わせたアプローチ
2つ目はWEB接客での活用です。こちらもKARTEと連携して行っています。
例えば、オンラインストアでのチャット接客時には、お客様の体型に似たスタッフのコーディネート提案や、サイズ感の説明などに活用しています。
また、特集ページやカテゴリ一覧の最下部にも、関連するスタイリング画像を埋め込んで掲載しています。さらに、お客様の最近の閲覧履歴に合わせたスタイリングコンテンツを表示するなど、ニーズに合わせたきめ細かなアプローチを行っています。
これらのWEBページへの埋め込み施策では、スタイリングコンテンツの閲覧率は5%ほどとなっており、そこから実際の購買につながるお客様は10%となっています。このように、スタッフが発信する情報を活用しながら、オンラインの接客対応やページ構成を最適化することで、顧客満足度の向上とサービスの強化を実現しています。
③WEB接客との相乗効果を発揮しロイヤル化を促進
3つ目の事例は、LINE STAFF STARTを活用した取り組みです。
LINE STAFF STARTの「スタッフ個人アカウント」では、お客様と一対一でやり取りし、その方の好みに合ったスタイリングを提案しています。STAFF START導入前は、お客様にLINEなどを通じスタイリング画像を送る際、体型が似ているスタッフをモデルに写真を撮影するなど、多くの手間がかかっていました。しかし現在は、蓄積されたスタッフコンテンツから最適なものを素早く選んで送れるため、効率化を図ることにつながっています。
当社はLINE STAFF STARTの「店舗アカウント(コンシェルジュアカウント)」も運用しており、こちらのアカウントでは、スタッフコンテンツを一斉配信の素材として活用しています。特に別注商品が多い店舗では、スタッフの着用コンテンツを活用することで、より親しみやすくイメージしやすくなる工夫を行っています。
こうした取り組みがお客様とのつながり強化となり、スタイリングを見たお客様が店舗を訪れ、特定のスタッフを指名するケースも増えています。
STAFF STARTの取り組み全般に言えることですが、関西のスタッフが関西弁で発信するなど、個性ある投稿が目につくようになりました。STAFF STARTは思想としても、仕様としても、スタッフの個性を最大化して引き出すことを重視したサービスであり、導入したことで、スタッフが活躍できる土壌ができ、お客様のファン化も促進されていると感じます。

ーー今後の展望は?
一戸さん 2024年4月にスタッフ向けのインセンティブ制度を導入したのですが、次のステップとして、2025年度以降、オンライン接客のスペシャリストを任命する計画を予定しています。それによってスタッフ全体へのノウハウ共有や社内カルチャーの醸成に取り組み、さらに成果を広げていくことを目指しています。

2次活用に関しては、3つの取り組みを考えています。1つ目が、カートのスタイリング表示機能の実現に向けた対応です。具体的には、カートや決済画面に表示される商品に対して、「このようなスタイリングで使われています。一緒にコーディネートしてみませんか」といった提案ができる仕組みを構築したいと考えています。
次に、アプリのコンバージョン向上を目指した施策を進める予定です。
さらに、WEB広告への活用も検討中です。反響の良かったコンテンツをWEB広告に転用し、メルマガ以外のチャネルでも訴求力を強化していきたいです。
まとめ
スタッフコンテンツは、自社ECサイトを飛び越えて、メールマガジン、店舗のデジタルサイネージ、他社ECモール、広告ランディングページなど、多様なチャネルでの使い道があり、購買意欲の喚起や店舗集客、ファン化の促進などに効果を発揮しています。
スタッフの投稿コンテンツをECサイト掲載にとどめず、掲載箇所の工夫や他社ツールとの連携を活用することで、さまざまな成果を生み出している2社の事例は、新たな施策や、さらなる成果創出のヒントとしても参考にしていただけるものと思います。
ここで触れている方法以外にも、さらなる活用の可能性が広がっていますので、「こんなことを試してみたい」「これはどうだろう」といったアイデアやご相談があれば、ぜひお気軽にお声がけください。
※お問い合わせ先:CS担当またはsupport <support@v-standard.com>

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