OMO(Online Merges with Offline)は、小売・アパレル・飲食など多くの業界で注目されているキーワードです。しかし、「OMOとは何か」「オムニチャネルとの違いは?」「自社マーケティングにどう活かせるのか」と、具体像がつかめずにいるマーケティング担当者も少なくありません。
本記事では、OMOの基本概念からオムニチャネルとの違い、注目されている業界、成功事例、マーケティング担当者が考えるべきポイントまで、まとめて解説します。
この記事はこんな方におすすめです
- 顧客体験をより深く理解して、満足度・ロイヤリティを向上したい
- 複数チャネルのデータを統合してマーケティングに活用したい
- オムニチャネル化を進めつつ、将来的にOMOへ発展させたいが、どこから着手すればよいか迷っている
- 「店舗」と「EC」などのチャネル間の役割や導線設計に課題を感じている
- 「店舗」と「EC」の売上をさらに上げたい
INDEX
- OMOとは?オンラインとオフラインを融合する新しい購買体験
- なぜ今OMOが注目されているのか?
- OMOとオムニチャネル・O2Oの違い
- OMOが注目されている業界と、その理由
- OMOの成功事例(サマリー)
- マーケティング担当者がOMOを考えるときの5つのポイント
- OMO導入で期待できる効果
- OMOを見据えた、STAFF START のオムニチャネル支援の考え方
OMOとは?オンラインとオフラインを融合する新しい購買体験
まずは、「OMOとは何か」をシンプルに整理します。
OMO(Online Merges with Offline)とは、オンラインとオフラインを統合し、チャネルの境界を超えて一貫した顧客体験を提供する戦略・考え方です。
OMOの特徴
- オンラインとオフラインを分けて考えない
- 顧客視点で一連の体験を再設計する
- 顧客データを活用して最適なタイミング・チャネルで接点をつくる
- 「どこで買うか」ではなく「どう体験するか」にフォーカスする
たとえば、次のような一連の流れは、典型的なOMOのイメージです。
- オンラインで商品を調べる
- スマホアプリで在庫を確認し、店舗に行く
- 店舗で試着をして、自宅配送を選択
- 購入後はアプリで履歴やおすすめ商品を確認
顧客は「オンラインか店舗か」を意識する必要がなく、常に一番便利で心地よい選択肢を自然に選べる状態。これがOMOが目指す姿です。
なぜ今OMOが注目されているのか?
OMOがここ数年で一気に注目されるようになった背景には、いくつかの大きな環境変化があります。
| スマホ・SNSの普及による購買行動の変化 | 今の消費者は、店舗にいながらスマホでレビューを確認し、SNSで着こなしを探し、ECで価格を比較します。 オンラインとオフラインを常に行き来しながら意思決定しているため、企業側にもそれに合わせた体験設計が求められます。 |
| コロナ禍によるデジタルシフトと非接触需要 | コロナ禍をきっかけにEC利用が増加し、多くの企業が「店舗とECをどうつなぐか」という課題に直面しました。 その文脈で、従来のオムニチャネルをさらに進化させる概念としてOMOが注目され始めました。 |
| DXの加速とデータ活用ニーズの高まり | 顧客ID統合、CDP(Customer Data Platform)、マーケティングオートメーションなどの普及により、 オンライン・オフラインを横断した顧客データ活用が現実的になったことも、OMOを後押ししています。 |
OMOとオムニチャネル・O2Oの違い
「OMO」「オムニチャネル」「O2O」は、似ているようで目的もスタンスも異なります。ここで一度整理しておきましょう。
O2Oとは?
O2O(Online to Offline)は、オンラインからオフラインへの送客を目的とした施策です。
- Webクーポンを発行して店舗に来てもらう
- 店舗受け取りキャンペーンで来店を促す
といった、「オンライン → 店舗」の一方向の流れが中心です。
オムニチャネルとは?
オムニチャネル(Omni-channel)は、複数の販売チャネル(実店舗・ECサイト・アプリ・SNSなど)を用意し、チャネル同士を連携させて顧客接点を増やす考え方です。
- 店舗でもECでも同じように買える
- どのチャネルからでも在庫・価格・ポイントが同じ
- 店舗で見てECで購入、ECで見て店舗で試着などが可能
といった、「チャネルをまたいだシームレスな購買体験」を実現します。
OMOとは?
OMOは、オムニチャネルのさらに一歩先にある考え方です。
| 概念 | 主な目的 | イメージ |
| O2O | オンライン → 店舗への送客 | クーポンで来店促進 |
| オムニチャネル | 複数チャネルの連携・最適化 | 店舗・EC・アプリをつなぐ |
| OMO | 体験そのものの統合 | チャネルを意識させない体験 |
オムニチャネルが「チャネルをつなぐ」発想なのに対して、
OMOは「チャネルの境界をなくし、体験自体を再設計する」発想、と理解するとイメージしやすくなります。
OMOが注目されている業界と、その理由
OMOは特に「リアルな体験価値」が重要な業界で強く求められています。
アパレル・ファッション
・店舗で試着 → サイズや着心地を確認
・スタッフのコーディネートをSNSやECでチェック
・気に入ったらオンラインで再購入
「試着」「コーデ提案」といった体験価値と、ECの利便性を組み合わせられるため、OMOとの相性が非常に良い領域です。
コスメ・ビューティー
・オンライン肌診断 → 店舗でカウンセリング
・店頭で試したアイテムをアプリで記録・再購入
・LINEやアプリで新作や使い方を提案
顧客一人ひとりの肌・好み・ライフスタイルにあわせたパーソナライズ体験を、オンラインと店舗をまたいで提供できます。
飲食・カフェ
・アプリでモバイルオーダー → 店舗で受け取り
・店舗来店履歴をもとに、おすすめメニューやクーポンを配信
「待ち時間の短縮」や「利便性向上」に加え、継続利用を促す仕組みとしてOMOが機能します。
家電・ライフスタイル・小売全般
・店舗で商品を体験 → ECで自宅配送
・アプリで保証・取扱説明書・アクセサリーを一括管理
高額商材・比較検討が必要な商材ほど、体験と利便性の両立がOMOのポイントになります。
OMOの成功事例(サマリー)

ユニクロのOMO
- アプリで在庫確認・お気に入り登録
- 店舗受け取り・店舗試着サービス
- 店舗で購入した商品もアプリから履歴確認
オムニチャネルをベースにしつつ、オンラインと店舗の区別を感じさせない体験をつくりだしています。(ユニクロ公式サイトより)
スターバックスのOMO
- モバイルオーダー & Payによる事前注文
- 店舗滞在を快適にするアプリ機能・会員プログラム
- オンラインとオフラインの行動データを活用したレコメンド
「来店前・来店中・来店後」の体験がアプリを軸に一本につながっています。(スターバックス公式サイト、公式アプリより)
マーケティング担当者がOMOを考えるときの5つのポイント
1. 顧客体験(UX)から逆算する
- どんなシーンで顧客は不便さを感じているのか
- オンラインと店舗をまたぐときに、どこで「途切れ」を感じているのか
- 自社ブランドらしい体験とは何か
チャネル起点ではなく、顧客体験起点でOMOを設計することが重要です。
2. 顧客IDとデータを統合する
OMOの土台になるのは、オンライン・オフラインをまたいだ顧客IDの統合です。
- 会員ID/アプリID/ECアカウント/店舗会員番号の紐づけ
- 購買履歴/閲覧履歴/来店履歴/問い合わせ履歴の一元管理
これができていないと、「誰に」「どのチャネルで」「何を」提案するのかが見えません。
3. 組織・KPIをチャネル横断で設計する
- EC vs 店舗の「取り合い」をやめる
- チャネル別KPIだけでなく、「顧客単位のLTV」を共通指標にする
- マーケティング・店舗運営・EC・システムが横断的に動ける体制をつくる
OMOは組織変革のテーマでもあります。
4. 現場(スタッフ)が使える仕組みを整える
OMOを成功させるうえで最も重要なのは、立派な構想やシステムよりも、実際に現場が動ける環境をつくることです。
どれだけ高度なOMO戦略を描いても、店頭スタッフ・販売員・カスタマーサポートなど、顧客と直接向き合う人たちが日常業務の中で活用できなければ、施策は形骸化してしまいます。
そのため企業には、「現場が自走できる仕組み」まで含めた運用設計が求められます。
5. 継続的なPDCAを前提にする
OMOは一度設計して終わりではなく、
データと現場の声をもとに改善を続ける“長期プロジェクト”です。
- 施策ごとの効果検証
- 顧客行動の変化のモニタリング
- 新しいチャネル(SNS・ライブコマースなど)との連携
を定期的に見直しながら、少しずつ「理想のOMO体験」に近づけていくことが大切です。
OMO導入で期待できる効果
最後に、OMOの導入によって得られる代表的なメリットを整理します。
- 顧客LTV(顧客生涯価値)の向上
- 再来店率・リピート購入率の向上
- 店舗とEC双方の売上増
- 顧客満足度・ブランドロイヤルティの向上
- 在庫・物流の最適化による機会損失の削減
- スタッフ生産性・モチベーションの向上
「売上向上」「CX向上」「業務効率化」を同時に狙えるのがOMOの大きな魅力です。
OMOを見据えた、STAFF START のオムニチャネル支援の考え方
最後に、店舗スタッフDXサービス「STAFF START」が、
OMO(Online Merges with Offline)を見据えた次世代のオムニチャネル支援をどのように考え、
小売・サービス事業者に対してどのような方針でサービスを提供しているのかをご紹介します。
・STAFF STARTとは
STAFF STARTは、株式会社バニッシュ・スタンダード社が提供する店舗スタッフ向けのDXサービスです。店舗スタッフが自社ECサイトやSNS上で投稿・オンライン接客サービスから始まり、現在は「店舗」と「EC」双方での「オムニチャネル接客」を実現し、売上最大化を実現することを目的にしたサービスです。
既に3,000ブランド・27万人以上のスタッフが使っており、流通経由売上(このサービスを通じて投稿・接客された商品の流通売上)が2,000億円を突破しています。
・OMOを見据えたオムニチャネル支援の考え方
STAFF STARTは店舗スタッフを中心に据えた“人起点”のオムニチャネル化を実現することをサービスの軸としています。
単にチャネルをつなぐのではなく、スタッフが持つ接客力・商品理解・提案力という“人ならではの価値”を、オンライン・オフラインの双方で最大化することを目的としています。
そのために、AIが分析した店舗とEC双方の顧客データをスタッフが接客に活用できる仕組みを提供。
来店履歴・購買履歴・閲覧傾向・お気に入り情報といったデータを一元的に把握できることで、スタッフは顧客に合わせた最適な提案が行えるようになります。
これにより、従来の「店舗=リアル接客」「EC=オンライン購入」という線引きをなくし、スタッフがオンラインでもオフラインでも顧客に寄り添い、ブランドのファンを生み出せるようにする“OMOを見据えたオムニチャネル化”を可能にします。
・STAFF STARTが目指す役割
-店舗スタッフの接客能力をオンラインにも拡張する
-店舗・ECの顧客データをつなぎ、スタッフが横断的に活用できるようにする
-顧客接点を「チャネル別」ではなく「一人の顧客」に統合して把握する
-ブランド全体で顧客LTV・顧客体験価値を高めるための基盤となる

以上のように、OMOは「体験DX」であり、これからのオムニチャネル戦略の核になります。
OMOとは、オンラインとオフラインを単に“つなぐ”のではなく、体験そのものを再設計する考え方です。
オムニチャネル戦略の延長線上にありながら、より一歩踏み込んで「顧客中心の体験」を追求するのがOMOだと言えます。自社にとっての理想的なOMOは何か?その答えは、顧客理解・データ活用・現場の声・組織体制の中にあります。
